altitude

2022.03.22

altitudeとは高度、標高を意味する。

私たちが生息する大地には高度というものが存在しており

それは私の生活圏では大きく緩やかな変化である。

 

高山植物を見に行くため、私はたびたび登山をする。

数時間その山の土と植物の香りに包まれている間に、自分の生活圏からはすっかり遠ざかり地面と草と空だけになる。目に付くのはそこで生きる植物になる。

高山植物は、木々が育たない場所、寒く風の強い環境に生息しており、逆に発達した森の中では生息が出来ない。

木々がない山上部は、空と地面が近く、自分がその間に立っていると吹き抜ける風に立っていられないことがある、しゃがみながら下を向いて地面にしがみついていると、植物も低く咲きながら地面にビシっとしがみついている。

私とその対象と目線が合わさる時、私と植物というものの輪郭が曖昧になる感覚がある。

自力で移動することが出来ない植物は、種が落ちたその場所で生きて行く。私が住うことは出来ない環境で、屈強でしなやかに咲く高山植物を、曖昧になった輪郭から自分を通し運び出し、作品に留めることで、はるか上の高度に住う植物や環境にアクセスをしたいと考えた。高山植物は私からは過酷に見える場所でも、生きる為に適した環境は命それぞれにある事を気付かせ、その姿が生きるというあり方を肯定してくれるような存在である。