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altitude
2023.04.17
私は命の在処をテーマに制作活動を行なっている
赤い格子の窓は私の命の窓である
しっかりと組まれた格子窓は透けていてまるで無防備である
呼吸をしながら、血が巡り、ただそこに生きている。乱雑な丸は、何も整理されておらず酸素を運びながら考えることもなく私の体をただ巡っている
あいた丸の空洞から内側の私が外側へ通過し、空気に霧散していく
格子の上に配置されたレリーフは鑑賞者それぞれの現実から、命の在処を考える為の作品である
Altitude 標高 というコンセプトは私自身の山のぼり経験から考えられている。
長野の諏訪湖端で生まれ育った私は、山に囲まれ、山を見上げて生きていきた。
成長してからは父に連れられて山に登ることが多く
考えられないような環境で生きる生き物に、生きる環境や場所を考えさせられた。
シルクスクリーンで色を重ねられた基布は、ゼロ地点から標高を上がっていくように重ねられ
編み縫いの作業によりひと針ひと針記憶が定着される
高山で見た植物は生きる為に適した環境は命それぞれにある事を気付かせ、その姿が生きるというあり方を肯定してくれるようである
自分の命(心)の場所が安寧を求めるように、生息する環境に思いを馳せて欲しい
レリーフは命の在処を模索するような私自身を浮き彫りにさせるが同時に私を勇気づける
レリーフという命の在処の問いかけと、鑑賞者という実在する命の行き来
自分ではない他者が Altitude をどう考えるか
私は赤い格子の窓からその行き来を鑑賞したい
熊谷綾乃
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